一文一投

思ったことを、だれかにひょいっと投げるきもちで

2016-01-01から1ヶ月間の記事一覧

冬の朝

ふるると震えて起きると外は雪だったしばらくぼぉっと考えて恋人にぴったりと寄り添う生きている人間は暖かい例え眠っていてもずっと眠ったままに見えてもそうしてしばらくしてちっとも恋人の腕が私の腰に絡んでこないのを考えてふと寂しくなって世界からす…

金曜深夜零時

こつ、こつ、と靴を鳴らして部屋の中に入ると、当たり前だけれど真っ暗で、手探りで電気を点けて「ただいまぁ」と言ってみたけれど、寝ぼけたみたいに間抜けな自分の声が響くばかりで、引っ越して間もないがらんどうの私の部屋は、闇から何かを跳ね返しなが…

カガミ

土曜日の帰り道。大声で座席を占領している、うら若きお嬢さんたちに出会う。見ればけっこう可愛い。まさに「恋するお年頃」といったところ。ふと窓に映った自分を見る。髪はボサボサ、化粧もはげてる。靴底はすり減ってるし、そういやコートの毛玉なんて、…